本は投資コストが低いから買った方がいい

 学生時代、参考書って高いなあと思った経験は皆さんあるだろう。一冊2000円とか3000円とかして、普通の学生からすればかなり高価だ。だからすごく吟味して、これだっていう一冊を選んで買う。そんな感じだったんじゃなかろうか。しかし最近思うのは、本なんて全然安いものだから、必要だと思ったらさっさと買うべきだということである。

給料の上り幅と本の価格

 すごく単純な話だが、例えば5000円の専門書を買って勉強し、転職して給料が5000円アップしたとする。そのまま一年経てば60000円である。勿論、勉強にはお金以上に時間を使う。だから、一概に本の値段だけでコストは測れないのだが、3000円やそこらで自分の給与アップに繋がる情報を得られるのなら、本なんて安いものだ。だから僕は、その場でパラパラめくって、必要だなと思う本があったら速攻買う。それでも年間で本に使う金は10万くらい。給与が300万だとして、そのうちの10万、たったの3%だ。滅茶苦茶安い。そもそも勉強のために書籍を購入するような人であれば、一生年収300万で生きて行こうなんて考えてるような人はいないだろう。

時間と本の価格を比較する

 今まで金額の話をしてきたが、時間という観点からも、書籍は欲しいと思ったら買った方がいい。たとえばプログラミングの勉強をしていたとしよう。javascriptという言語を勉強していたとする。javascriptをマスターするのに、ネットだけの情報だと2カ月、書籍を使えば1カ月半だった。その差は半月(15日)。時間コストを単純に月給で測るとすると、月20万では半月で10万。書籍をは3冊買って1万だったとすれば、すごく単純に考えても、10万という時間を1万で買ったことになるのである。そういうコスト感である。

精神的な敷居を下げるための書籍購入

 また、定量的な評価は難しいが、精神的を敷居を下げる意味でも書籍は買った方がいい。何かを勉強しようと思ってから行動するまでの障害を出来る限り減らす必要があるのだ。やる気が出た時に手元にわかりやすい書籍があるのと、一からネットで検索し始めるのでは、ストレスの度合いが違う。何かやろうと思ったときに、すぐさま行動を起こせる状況を作っておくのことが重要なのである。活用できるか分からないがとりあえず買うという意味では、一番投資に近い感覚かもしれない。

ネットよりも体系的に学べる

 人によっては、今の時代は何でもネットで調べれば出てくる時代だから、本なんて買うのは勿体ないと思うかもしれない。確かにネットで調べるというのは簡単だし、特定のことを調べる上では本を読むよりも断然早いことだってある。しかしネットでばかり調べていると、情報が偏りやすい。体系的に何かを学ぶ際には、いい本を手に入れて、サラッとでもいいから全体像を把握することが重要である。 さらに言うと、ネットの情報というのは、正しいこともあるのだが間違っていることや、場当たり的な対処をしている内容も多い。本が間違っている時もあるし、最新の情報なら本よりもネットの情報(特に論文とかそのレベルを読めるのであれば)の方が良質な場合もある。特にITの世界では、公式の情報が一番正しいので、最新情報はネットということになる。しかしある程度枯れた情報に関しては、一定の評価を得ている本を読んだ方が、それなりに体系だった知識を素早く手に入れられる可能性が高い。

書店で2000円とか3000円とかみると、一瞬ひるんでしまうかもしれないが、冷静に考えてみると、本は投資コストが低く、どんどん買った方がいいことがわかる。読まずに貯めてしまうのはもったいないが、必要だと思ったらあまり考えずに買ってしまった方が良いかもしれない。