キノコ採り歴20年だけど市販のキノコ図鑑を比較してみた

 僕は物心ついた時からキノコが好きで、気が付いたら図鑑を何冊も持っていた。世に出回っている図鑑をそれぞれ比較してみようと思う。ちなみに、実際にフィールドに出て取る(食べる)こともあるレベルなので、結構参考になると思う。

よくわかるきのこ大図鑑 - 永岡書店

 この本はキノコ図鑑の中でもかなり大きい方。厚さも結構あるが何より横の幅が広い。掲載している種類は300弱で、平均的である。写真が大きくて撮り方もすごく奇麗だし、実際の探し方も説明されている(調理法も)。専門的な書籍ではないが、2000円未満でこのクオリティはかなり安い方。初めての人が眺めるのにすごく良い本だと思う。キノコの良さが伝わってくる一冊。

オススメ度:★★★★
利用頻度: ★★★

カラー版 きのこ図鑑 - 幼菌の会

 やや大きめの図鑑。700種類もの種類が乗っているし1種毎の説明がそこそこ丁寧で、本格的にきのこを判別したい人にはいいかもしれない。価格は5000円以上するので、ちょっと高い。写真も味気ないので初心者にはお勧めできないが、値段とか関係なくキノコ好きな人ならば買ってもいいだろう。

オススメ度:★★★
利用頻度 :★★★★

きのこ (フィールド・ガイド) - 小学館

 すごくよくできた図鑑。種類は180種類程度と少ないが、有名どころを抑えていて、それぞれの説明が非常に丁寧で読みやすい。写真もすごく綺麗だから眺めていて楽しいし、サイズもコンパクトなので実用性もある。僕は実際フィールドへ行くとき、これをサブで携帯することが多い。値段は2000円とまずまずのところ。初心者から玄人までオススメできる一冊。

オススメ度:★★★★★
利用頻度 :★★★★

きのこ (山渓フィールドブックス) -- 山と渓谷社

 とにかく掲載種類の多い図鑑。その数なんと1200弱。たぶん市販のもので一番多い。僕が一番最初に手に入れた図鑑で、未だに一番お気に入りだ。写真が暗いが一つ一つの説明はそこそこ丁寧で、何より掲載数が多くてコンパクトなので重宝する。個人的に最強の図鑑。残念なのは今は新品で出版されていないこと。もし新品で見かけたら絶対買い。2500円程度だったと思う。Amazonでも中古販売ならあるようだ。

オススメ度:★★★★★
利用頻度 :★★★★★

日本の毒きのこ - 学研

 日本の代表的な毒キノコを集めた本。おそらく150種類載っている。キノコ採り(食べる人)の鉄則として、まずは毒キノコから覚えろという考え方がある。毒キノコを覚えて、それに合致するもの、似ているものは絶対に食べないということだ。初心者のうちからキノコを採って食べるのは絶対にやめた方がいいが、ある程度修練を積んで本格的にキノコ採りをやり始めたときは重宝するだろう。そういう言う意味では必読の一冊かもしれない。ちなみに僕は読む前からこの本に載っている毒キノコはすべて把握していた(ドヤ

オススメ度:★★★★
利用頻度 :★★★★

最後に

 キノコという生き物を観察するのは非常に面白い。実際にフィールドに出て探しみたり、写真を撮ってみるのがおすすめだ。その可愛さや美しさに気づくことが出来るだろう。ただし、素人のうちはキノコを見つけても、絶対に食べてはならない。というのも、キノコは生育地によって全然色や形が違ったりする。図鑑と照らし合わせると、どう考えても食用キノコだ!と思えるものが猛毒だったりする。もっと言うと、食用と言われるものでも生育地によって毒キノコに変容したりするので、絶対安心ということは無い。また、一度でも中毒症例が出たものは、それ以降毒キノコとされる。だから古い図鑑では食べれるとされているものが、最近の図鑑では毒だったりする。本当にキノコ採りをするのなら、専門家の人に師事した方がいいだろう。